フリーランスのみなさん、今日も成果出してますか〜?
さて私は2022年10月から、同じ業務委託先で働いています。今月で丸4年になります。
業務委託は、3ヶ月〜半年ほどで契約が終わることも珍しくない働き方です。私自身も半年ほどで終了したり、1案件のみのお付き合いで次のお声がかからないこともありました。
しかしなぜこの委託先では続いているのか。振り返ってみると、技術力が飛び抜けていたからではありません。「この人に頼めば、とりあえず何とかなる」という範囲を、少しずつ広げてきたからではないかと今は思っています。
ただ、長く続くことには代償もありました。この記事では、続いた理由と、その裏で見落としていたことの両方を書きます。
4年間で、担当は3回変わった
同じ委託先とはいえ、やってきた仕事の中身はずっと同じではありません。
- 参画当初:外部ベンダーが開発したLaravelアプリの引き継ぎ(約2年)
- その後:社内チーム体制に切り替わったNext.jsアプリの開発(約2年)
- 現在:Next.jsアプリに加えて、WordPressサイトの保守・運用
契約は準委任/月70〜80時間程度で、特に解除の申し出がない限り自動更新されています。
外から見ると「1つの案件に4年」ですが、実感としては、同じ委託先の中で別の案件を3つ渡り歩いてきたと言う方が感覚的には近いです。Laravelの2年間については、別の記事に書いています。
続いた理由1:地味な仕事を、地味なままやり切った
最初の役割は、自分が書いていないLaravelアプリの引き継ぎでした。新機能を作るより、既存の不具合を追いかける時間のほうが長い仕事です。
正直に言えば、華やかな仕事ではありません。ただ、引き継ぎ案件は「途中で投げ出されると一番困る仕事」でもあります。小さなissueを一つずつ閉じていくことが、そのまま「この人は最後までやる」という評価につながっていたのだと、今は思います。
例えばLaravelを含む使用フレームワーク・ライブラリの更新作業。最近の脆弱性や情報漏洩の多発でセキュリティに関する意識も高まってますが、AI以前は問題なく動いていれば後回しにしがちじゃないでしょうか?
私は、頼まれなくても定期的にバージョンを上げてきました。目立たない仕事ですが、こういう作業を任せられることが信頼につながったのだと思います。
Next.jsアプリの担当に声がかかったのも、この積み重ねがあったからだと考えています。
続いた理由2:サイトもアプリも頼める人になった
会社員時代からフリーランスになって最初の約5年までは、Webサイト制作が中心でした。WordPressやHTML/CSSの経験は、アプリ開発に移ってからは「昔の経験」になると思っていました。
ところが、委託先ではWordPressサイトも多数運営しており、サイトもアプリもできることがいつの間にか強みになっていました。
委託先から見ると、アプリの話もサイトの話も、同じ人に相談できるほうが楽です。窓口が一人で済み、説明の手間も減ります。私の守備範囲の広さは、技術の深さよりも、この「相談のしやすさ」として評価されていたのだと思います。
アプリ開発でも同じことが言えます。フロントエンドから入りましたが、API連携やDB設計の変更など、バックエンド側にも少しずつ手を広げてきました。どれも専門家と呼べるほどではありません。それでも「とりあえずこの人に聞けば、どこを見ればいいか分かる」という状態は、長期の業務委託ではかなり効いてきます。
続いた理由3:休んでも、連絡だけは途切れさせなかった
2年ほど前、体調を崩して仕事をセーブしていた時期があります。稼働を落とせば、契約が終わってもおかしくない状況でした。
そのときに意識したのは、忙しくない時は上手く休みつつ、日中の連絡には即レスするようにしたことです。
委託先が困るのは、稼働が減ることそのものより、連絡がつかず状況がわからないことだと思います。すぐに返事が来るなら、相手は計画を立て直せます。結果として、委託先は私の体調に理解を示してくれ、今も無理のないペースで働けています。
これは私の努力だけでなく、委託先の懐の深さに助けられた部分が大きいです。ここは強調しておきたいところです。
見立てが違っていた点:長く続けば、スキルも伸びると思っていた
一方で、私の見立てが外れていたこともあります。
同じ場所で長く働けば、経験は自然と積み上がっていくと思っていました。実際、担当が変わるたびに新しい技術には触れてきました。
ところが、今年転職活動をしてみて、市場とのずれがはっきり見えました。私が実務で使ってきたSupabaseやVercelを使っている企業は、応募先には1社もありませんでした。クラウドインフラの経験も、求められる水準には足りていませんでした。
1つの委託先に長くいると、その環境の「当たり前」が、自分のスキルを測る物差しになります。委託先の中では十分に役に立てていても、外から見たときの評価は別です。慣れた場所にいるうちに、外の物差しを持たなくなっていたのは、私自身の落ち度だと思っています。
DB設計やインフラが伸びなかった背景は、1本目の記事に書きました。
長く続くことの代償
まとめると、長期の業務委託には、次のような代償があると感じています。
- 物差しが内側だけになる:委託先での評価と、市場での評価がずれていても気づきにくい
- 収入が1社に寄る:私の場合、他に委託先があるので当てはまりませんが、1社だとリスクが高い
- 単価を見直す機会が少ない:案件を変えるタイミングがないと、相場と比べる機会も減る
どれも、続いていること自体の価値と引き換えに生まれるものです。続いているからこそ、意識して手を打たないと見えなくなります。
逆の判断もありだと思う理由
1〜2年ごとに案件を変えていく働き方も、十分に合理的です。
案件が変われば、技術スタックも、チームの進め方も変わります。単価を交渉し直す機会も、案件を変えるたびに訪れます。市場の感覚を保つという意味では、私のような働き方よりも有利な面が多いと思います。
私が今の委託先で続けているのは、体調と相談しながら働けることを優先しているからです。条件が違えば、私も別の選択をしていたかもしれません。どちらが正しいというより、何を優先しているかの違いだと考えています。
まとめ:長期案件は「選ぶ」より「育てる」もの
最初から「4年続く案件」を選べたわけではありません。続いたのは、引き継ぎや保守のような地味な仕事を受けながら、任される範囲を少しずつ広げてきた結果です。
ただし、続けるほど外の物差しは失われやすくなります。
もし今、1つの委託先で長く働いているなら、半年に一度くらい「この期間で新しく任されるようになったこと」を1行だけ書き出してみてください。自動更新だと、振り返るきっかけは自分で作るしかありません。


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