今年、正社員への転職活動をしたときに、久しぶりに職務経歴書を書きました。会社員時代からの実績を振り返り、まとめていくのは、なかなか骨の折れる作業です。
転職活動そのものの結果は、別の記事に書いています。61社に応募して、内定は0でした。
その記事の最後に「転職するつもりがなくても、職務経歴書は一度書いてみる価値がある」と書きました。この記事では、その職務経歴書を実際にどう書いたのか、何に迷って、書類選考で何が起きたのかを振り返ります。
先に書いておくと、これは「通る職務経歴書の書き方」ではありません。書類で46社落ちているので、正解を示せる立場ではないですからね。。。
あくまで、10年分をまとめようとして手が止まったところと、そこでどう判断したかの記録です。
10年分を書こうとして、最初に手が止まったところ
書き始めてすぐ困ったのは、何を書けば「実績」になるのか分からないことでした。
会社員なら、所属部署と役職、担当プロジェクトを時系列で並べれば、ある程度は形になります。
フリーランスの場合は、クライアントワーク時代は一つのWebサイトを納品してそれが一つの制作実績としてわかりやすい形で残ります。クライアントの許可が取れたプロジェクトに関してはポートフォリオに掲載してたので、それを元にまとめていきました。
一方で、業務委託として働くようになってからは、納品というものがなくなり、一つのプロダクトを継続して開発していたため、自分の実績というものがイマイチわかりませんでした。毎日コツコツとタスクをこなしている中で果たして自分に実績と呼べるものなんてあるのだろうかと不安にもなりました。
そこで私がとった方法はGitのコミット履歴を委託先に許可をとった上でAIを使って解析し、自分の実績を洗い出していく作業でした。するとこれまで自分のやってきたことがしっかりとした文面でリストアップされていき、「自分もちゃんと経験やスキルを積んできたのだな」と感じることができました。同僚がいないフリーランスにとって同じ立場で評価を受ける機会がないので、コミットに刻まれた足跡を簡単に振り返られるのは精神衛生的にも良かったです。
時系列で書くか、スキルごとにまとめるか
職務経歴書の書き方には、大きく2つあります。案件を時系列で並べる書き方と、スキルや役割ごとにまとめる書き方です。
私は時系列で並べれば、ある時期を境にちょうどサイト制作期とアプリ開発期に分かれるので時系列に並べました。
最初の約5年はBtoBのWebサイト制作が中心で、2022年10月からはWebアプリケーション開発が中心になりました。
案件ごとに担当範囲を明記し、それぞれのプロジェクトでどのような役割を担ったかをわかりやすくまとめました。
「一人で全部やった」を強みとして書いた結果
フリーランスの案件では、要件の整理から実装、運用まで一人で持つ場面が多くありました。これは強みになると考えて、職務経歴書でも前面に出しました。
一方で、チームを率いた肩書きはありませんし、組織に所属していた期間からは大きく空いています。ここが不利になることは予想していて、担当のエージェントからも、そこを懸念する企業はあると言われていました。
面接に進んだ11社で特によく聞かれたのは、フリーランスとしての実績の深掘りでした。どんな役割を担っていたのか、何に苦労したのか。職務経歴書に書いた案件について、深掘りされそうな点には予め想定問答を考えて臨みました。
ここで気づいたのは、書類に書いた「一人で全部」は、面接で具体的なエピソードを話せて初めて強みになるということです。ここはマストです。話せなければやっていないと同義です。
想定問答はAIと壁打ちしながら用意しました。面接のたびに問答集を更新していくと、職務経歴書の書き方の甘いところも見えてきて、そのたびに書き直していきました。
4月に書いた最初の版から7月の最終版まで、職務経歴書は8回書き直しています。4ページだったものが、最終的には6ページになりました。主な変更は次の4つです。
- 志望動機をやめて、実績で語る形にした:最初は応募先ごとに志望動機を書き換えていました。途中で汎用的な自己PRに変え、最終的には自己PRそのものを外して、案件ごとの事実だけで伝える形にしました。
- 「何をしたか」に「何が身についたか」を足した:案件ごとに、技術スキルとソフトスキル(コードレビュー、採用面談への同席、開発ガイドラインの整備など)を分けて書き足しました。
- 盛った表現を、説明できる表現に直した:「主導」を「担当」に変え、「1,000行超のモノリシックなモジュール」は「無関係な責務が1ファイルに同居していたものを分割」に書き換えました。コミット数の割合から「最大貢献者」と書いていた一文も削りました。数字や肩書きより、深掘りされても自分の言葉で説明できることを優先しました。
- サイト制作期の書き方を厚くした:アプリ開発側を充実させたあと、最後にサイト制作期にも「問い合わせや資料請求につながる設計」という軸を書き足しました。前半5年を「昔の経験」で終わらせないためです。
見立てが違っていた点:書いた技術と、求められていた技術がずれていた
書類で落ちた46社について、理由はほとんど分かりません。それでも、応募を続けるうちに見えてきたことがあります。
私は職務経歴書の技術スタック欄に、実務で使ってきたNext.js、Supabase、Vercelなどを書いていました。ところが、私が応募した範囲では、SupabaseやVercelを使っている企業はゼロでした。AWSなどのクラウドインフラの経験は、求められる水準に足りていませんでした。
XでWebに関する情報を得る機会も多いのですが、SupabaseやVercelは当時X上でも目にする機会が多い技術でした。私はトレンドの技術を使って開発を行っているので大いにアピールになると思っていましたが、ここは現場の需要とずれていましたね。そもそもXはユーザーの興味関心に合わせてタイムラインがカスタマイズされますから、現場と乖離してしまうのは今考えれば全然あり得ます。
今需要がある技術は求人票の中にあるので、将来的に転職を考えている方はまずは求人票をざっと見てみるのが良いかもしれません。
逆の判断もありだと思う理由
私は10年分を整理して、代表的な案件を厚めに書く方向にしました。ただ、別のやり方も十分に合理的です。
たとえば、エージェントが用意しているフォーマットに沿って最小限にまとめ、応募数を増やす書き方です。書類の通過率は応募先との相性に左右される面も大きいので、1通に時間をかけるより、数を出して面接で話すほうが早い場合もあります。
また、応募先ごとに職務経歴書を書き分ける人もいます。私は書き分けませんでしたが、時間に余裕があるなら、応募先の技術スタックに合わせて見せ方を変えるのは有効だと思います。
まとめ:書いてみて、自分の実績を数えられるようになった
内定には結びつきませんでしたが、職務経歴書を書いたこと自体には意味がありました。書き出してみると、自分が思っていた以上にいろいろなことをやってきたと分かり、それが自信になりました。
フリーランスを続けている今も、この職務経歴書はたまにアップデートしています。
同じ委託先で長く働いていると、外の物差しを持たなくなりがちだという話も、別の記事で書きました。
もし今、職務経歴書を一度も書いたことがないなら、転職するかどうかに関係なく、まずは自分のコミット履歴を振り返ってみてください。自分が思っている以上にコミットは雄弁ですよ。


コメント